J1松本山雅FCが韓国代表のキム・ボギョン選手の獲得を発表しました。
8月の時点で加入内定の情報があり、すでにチームにも合流し、トレーニングマッチにも出場しています。
この獲得には、2つのラッキーが重なって実現しました。そのラッキーとは一体?
松本山雅の新戦力、キム・ボギョン選手について調べてみました。
キム・ボギョン選手ってどんな選手?
キム・ボギョン選手は、2010・2014年のW杯韓国代表。
2012年には、ロンドン五輪で韓国代表として銅メダル獲得に貢献しています。
2010年にC大阪に入団し、期限移籍先のJ2大分トリニータでは、27試合で8得点を記録しています。
その後、2011・2012年とC大阪でプレーし、41試合で15得点を挙げています。
2013年にプレミアリーグのウィガンに移籍し、チームのプレミアリーグ昇格に貢献しました。
山雅への移籍の経緯は?
今回の移籍は、まさに青天の霹靂(せいてんのへきれき)でした。
キム・ボギョン選手は、今年1月にカーディフを退団し、プレミアのウィガンへ加入していました。
そのクラブを今夏で退団し、新たな所属チームを探している最中でした。
移籍先として、ブラックバーンが獲得に興味を示していましたが労働許可が下りず破談。
その後、オランダPSVのテストを受けるも入団までは至っていませんでした。
そんな状況の8月19日、松本山雅に移籍話が舞い込んできました。
急遽、南テクニカルディレクターが韓国に飛び、24日には仮契約を結んでいました。
この移籍には2つのラッキーで実現しました。
- 山雅のアジア枠が空いていたこと
- 登録ウインドーの終了前に契約満了を迎えていたこと
ラッキー1
山雅の外国人枠は、すでに3人埋まっている状況でした。
しかし、アジア枠(AFCに加盟する国・地域の外国籍選手1人を起用することが出来る)を使うことで試合への出場が可能となりました。
ラッキー2
これが一番大きな要因でした。
すでにJリーグの移籍期間および登録期間は終了していました。
なので通常であればこのタイミングでの移籍はあり得ません。
獲得しても試合に出場できないからです。
しかし、特例が存在したのです。
登録ウインドーの終了前に契約満了を迎えていた選手については、9月18日まで追加登録が可能
これは、FIFAが契約クラブのない選手への雇用機会創出を優先するための制度です。
まさにキム選手は、この条件に該当したのです。
だから、今回の移籍が実現しました。
プレースタイルは?
キム・ボギョン選手は、運動量とキックの精度・パワーを兼ね備えるレフティーです。
シャドーやボランチをこなし、得点、アシスト両面でチームに貢献できるタイプの選手だと思います。
プレッシャーにも体勢を崩すことなく、推進力のあるドリブルも魅力的です。
また左足からのFK、抑えの利いた正確なシュートが武器です。
韓国では「パク・チソン2世」とも呼ばれています。
山雅の切り札として活躍できるか?
松本山雅は、トップ15入りに向けて最後の切り札を獲得しました。
契約後も他国クラブからオファーが来る大物を獲得したことは、何が何でも残留するというクラブの意思表示だと思います。
裏を返せば、もう言い訳の出来ない状況に己を追い込んだ、ともとれます。
チームとして、残り9試合死に物狂いで戦ってほしいと思います。