【シーズン終了まで残り13試合】
2週間の中断期間が終わり今節からリーグ戦が再開します。
前節のサンフレッチェ広島戦は、2度も先行される展開もロスタイムにパウリーニョ選手のゴールで追いつきドロー!
土壇場で勝ち点1をもぎ取りました。
今節は川崎フロンターレとの試合でした。
川崎はここまで2敗と負けないチーム。
第5節で松本に勝ってから前節の広島まで無敗でした。
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松本山雅×川崎フロンターレ【J1第5節 2019年3月31日】
J1王者との決戦。思っている以上に力量に差があることを見せつけられ、なすすべなし。攻撃の形も作れなかった松本山雅×川崎フロンターレのマッチレビュー。お互いのファン・サポーターにこの試合の印象や気になった選手をレポートします!この試合の評価も低評価となっています。
そんな川崎を相手に0-0の引き分けという結果でした。
川崎との通算成績は0勝0分3敗と負け続けていましたが、初めて勝ち点とりました。
この試合のマッチレビューを川崎フロンターレ、松本山雅、お互いのファン・サポーターに聞いてみました。
両サポーターが試合を見て感じたこと
前節の広島戦からスタメンを1人を入れ替えて臨みました。
- 高崎 →阪野
- 前田 →セルジーニョ
- 宮阪 →藤田
松本は残留に向けて、川崎は優勝に向けて、立ち位置は違えど互いに重要な一戦でした。
松本は中心選手の前田大然選手がポルトガルに移籍し、阪野選手が初スタメンとなりました。
川崎は水曜日の広島戦から中3日の試合だったこともあり、先発5人を変更しています。
試合展開は、ボールを保持する川崎と耐える松本という構図でした。
見ている側としては動きが少なく、面白みがない試合でした。
川崎がポゼッションサッカーで攻めるも、ゴール前までボールを運べません。
対する松本も守備からカウンターに繋げようとしますが、攻撃が手薄で決定機に繋がらず。
前半35分にはパウリーニョ選手のミドルシュートで見せ場を作りますが、川崎GKのセーブに阻まれてゴールとはならず。
後半も攻める川崎、守る松本の展開は変わらず。
そのまま無得点で試合終了でした。
松本としては、格上相手に引き分けで勝ち点1を死守したゲームでした。
一方の川崎は痛恨の引き分けだと思います。
格下相手に勝ち星を取りこぼしてしまい、痛い引き分けでした。
反町ブロックと命名された戦術で川崎にシュートチャンスさえ与えませんでした。
松本も数回ゴール前にボールを運ぶ機会がありましたが、最後のシュートまではいきませんでした。
守るだけでなく、勝つ気を見せたのは良かったと思います。
阪野、セルジーニョ、杉本の新攻撃陣も奮闘していました。
あとはフィニッシュまでの形が見つかれば得点できそうな予感がします。
われわれにとっては消耗戦になるという感じで準備をしてきて、実際そのとおりになりました。この高温多湿の中で最後まで足を止めないで、よく頑張ったなと思います。
特に新しく入ってきた阪野(豊史)は前線からチェイスしたり、向こうの攻撃を限定したり。ボランチを含めた中盤の選手は負担が少なくなったのかなと思います。あとは何回かあったチャンスを生かせれば良かったんですが、昨季の日本のチャンピオンと差があることは十分分かっていますし、その中でも勝点を取らないといけない現状を考えると、今日のやり方が現段階では最高のやり方だったと思っています。
ただ、スペースがたくさんある中で、ビルドアップについてコメントすることはできませんが、もう少しペナルティーエリアでうまく数的優位を作ったり、最後のパスを冷静に通したりとか。単発過ぎて少しもったいなかったかなという感じがします。それでも今日は、それを責めるわけにはいかないような暑さと展開だったかなと思います。
≫ 今日は、相手を自陣に引き込みながらカウンターを狙うゲームプランを設定したと思うが?
引き込んでというか、どこと試合をやっても押し込まれちゃうんですよね。ならば中途半端に体力を消耗するのではなく、最初からしっかりポジションを取って、深追いせずにやったほうがいいのではないかと。この暑い中でね。そういうプランで今日はやらざるを得なかったと。
≫ 今日は90分間守り切れるという計算から、ああいうオーガナイズをした?
守り切れるかどうかは何とも言えませんけど、本当は前のほうからもう少し奪えればと思っていたんですが、向こうのSBがあれだけ高い位置を取ると、サイドが引っ張られて重心が後ろになってしまいますよね。でも、これはどのチームと対戦してもそうなるので、うまく自分たちの体力を使いながらやらざるを得なかった。チームの現状ですね。
引用元:
Jリーグ公式
スポーツナビ
やはり多くのサポーターが来てくれたのに、この勝点1というのはすごく悔しく思っています。90分を通して自分たちはもっともっと勝つための動きですとか、ゴールへ向かう姿勢といいますか、そういうものを出し続けなければいけなかったなと思っています。当然、この等々力では相手は勝点1を取るために必死に来ますけど、やはりそれを上回るものをもっともっと出さないと、とあらためて思っています。
≫ そういう意味では、相手のゲームプランにハマってしまったような気がするんですが、相手の狙いをどう解釈して、どういう対策をとったのか教えてください。
まずこういう試合展開になる可能性というのは予測していました。ただ、準備期間というのはほとんどなかったので、本当に前日にこういう形で崩そうだとか、ここのところを突こうとか、そういう形しかトレーニングという意味ではできませんでした。ただ、それでも相手対策というよりも自分たちがずっと積み上げてきたものがありますので、そういう意味でいうとそこを出せなかったというのが、やはり相手の一番イヤなところにボールを入れ切れなかった。そこでしっかりと相手を食いつかせる作業というものをやってきたつもりですけども、そこのところで今日は本当に相手もハードワークしていたと思いますけど、それでも外から見ていると入れられるところはいくつかあったので、そこのところを逃すとこういうふうになるなと思っています。
≫ 後半になっていろいろ手を替え品を替えやったと思いますけど、まず1つは中村 憲剛の位置を後半の頭からかなり後ろに下がる時間を多くしたのが1つ。それから左右を入れ替えたと。以前だったら前の2人を入れ替えたり、後ろの2人を入れ替えたりしていましたが、今日は同時に前と後ろを入れ替えたが、あの辺の狙いを教えてください。
まず憲剛に関しては、本当はもう少し前でやってほしかったですけど、ただ下がってきたシーンがちょっと後ろで安定しなかったり、後ろから入れるボールというところで本人もタイミングが遅かったというところで多分下りたと思うんですけど、そこのところである意味、あそこのポジションでゲームを作らすというところを含めて、最終的にあそこのボランチにして前を増やそうという思いがありました。
あと、両サイドを変えたところで言いますと、少し5枚の相手に対して内側、内側という形で、ポジションは取りますけど、ボールが外回しになっていて、そこからの仕掛けというのがなかった。単純にコンビのところと、外からでも仕掛けられるような、例えば(齋藤)学であれば右足で向こうから行けるように、家長(昭博)であれば左でクロスを含めてというところで、最初はプランを組みました。最終的に2トップにするときにまたちょっと変えたということになります。
川崎 | スタッツ | 松本 |
68% | ボール支配率 | 32% |
14 | シュート | 9 |
1 | 枠内シュート | 2 |
102.5km | 走行距離 | 113.0km |
99 | スプリント | 110 |
868(90%) | パス(成功率) | 318(79%) |
1 | オフサイド | 0 |
8 | フリーキック | 9 |
1 | コーナーキック | 4 |
0 | ペナルティキック | 0 |
警告:0 | 警告・退場 | 警告:1 |
山雅サポのマッチレビュー
松本にとっては思惑通りのゲーム展開。
川崎にとってはダメージの大きいゲームでした。
第三者目線で見ると面白みのない試合になってしまったなという印象です。
前田大然の抜けた松本と王者川崎の戦力差を考えると、松本が強固な守備ブロックを引くことは想定内で、川崎がどう攻略するかが見物でした。
川崎はホームゲームで絶対勝たなければいけない状況でした。
しかし、この真夏に1週間で3試合という過酷な連戦で前節の敗戦を引きずっているなと感じました。
松本はボール支配率は72%でしたが、川崎に作らせた決定機は少なく。
前からのプレス、阪野のポストと馬力。
統率のとれたDF陣の気迫はJ1残留に向けて明るい兆しになった試合だったと思います。
松本にとってはよく粘って引き分けたとも言えますし、勝ちきれなかったとも言える難しい試合でした。
日程面で優位な状況だった松本は前半から積極的に前に出ていてチャンスを作ることができていたのでとても良かったと思います。
あまり攻めに人数をかけられないのでミドルシュートや速いクロスが主ではあったものの、可能性を感じることが出来たのはポジティブに捉えて良いでしょう。
守備もしっかりとブロックを作って、川崎にまともなサッカーをやらせなかったのは評価できます。
川崎は、守備をかいくぐって攻めてきますが、本気で危なかったと思えるシーンはありませんでした。
松本は、守備が頑張れただけにやはり決定力がないということは痛いと言えます。
ハッキリ言って勝てた試合で、今の順位を考えるとこういった試合は勝ち点3を取っておかなければどんどん苦しくなります。
戦術は良かっただけに個人の奮起を期待します。
松本はフロンターレ相手によくやったと思います。
しかもアウェーで勝ち点1を取れたのは大きいです。
正直防戦一方になるかなと思っていたのですが、決定機も作れていました。
スタッツを見ると、フロンターレが圧倒的に見えます。
実際の内容はそこまで悪くなかったと思いますね。
特に危ないという場面も少なかったですし。
5バックにして守備を重視で戦ったのが、この結果につながったと思います。
正直フロンターレは格上で、攻撃力も高いチーム。
我々のようなチームが勝つには、この戦法が合っていると思います。
さらにチーム全員がハードワークすることで、相手の良さを消す。
それができていた試合でした。
攻撃面ではセルジーニョとパウリーニョが良い動きをしていました。
惜しいシュートやフリーキックもありました。
見ている側としては面白みに欠ける内容だったかもしれませんが、この試合で勝ち点を取れたのは大きいです。
この試合を松本としては自信にして、今後につなげてほしいです。
対戦相手の印象
両サポーターに相手チームの印象を聞いてみました。
山雅サポから見た川崎の印象
今日の川崎は「上手さは目立つものの、何処か力んでいて最後のイマジネーションとアイデアに欠けていた」という印象が強かったです。
「がっちり守備ブロックを引いてきた相手でも中央から崩せる」のが川崎の醍醐味ですが、松本の踏ん張りとハードワークに苦戦、綺麗に崩そうという概念と連戦と暑さの疲労が得点に蓋をしたのかもしれません。
個人では家長選手の不出来が目立ち、昨年まで目立った一人交わすドリブルや動き出しの質が見られず、スタメンで使った鬼木監督の采配にも疑問。
中を固める場合、知念よりもシンプルに恐いのはレアンドロ・ダミアンの高さと上手さで、結果論ですがスタメンで出すべきだったと思います。
川崎対策はどのチームも徹底してくる訳ですから、どの選手が入っても川崎の攻撃スタイルが生きるシステムを考慮すると、思い切ってターンオーバーしてきた方が松本山雅にとっては嫌だったと思います。
川崎はこの暑さの中での連戦で体が重たそうで、まったくらしさを感じませんでした。
テクニックに優れていて、所々では怖いプレイもあったのですが、そこまでどうにもならない印象はこの試合では受けることがありませんでした。
松本の術中に嵌ったとも取れますが、パスの出しどころがないストレスを感じる試合になったのではないでしょうか。
これは日程を組んだリーグ側の課題とも言えますが、松本的にはラッキーな条件ではありました。
攻撃陣がパッとしなかっただけに守備陣の印象が強く残りました。
特に守護神のチョンソンリョン選手は安定していて、川崎の強さの秘訣はここにもあるのだなと感じました。
我慢比べのような試合で均衡を破らせなかったのは彼の活躍があったからで、苦しい時もこうして彼が後ろで安定をもたらしているから川崎は強いのでしょう。
川崎にとっては痛恨の引き分けでしょうが、体さえ動くようになればやはりJリーグ最強と言っても良いチームだと思います。
Jリーグでナンバーワンのポゼッションサッカーだと思いました。
スタッツを見ても分かりますが、フロンターレの支配率が圧倒的です。
松本が守備的な戦い方をしていたのもありますが、ボールを持たれました。
見方を変えると持たせていたとも言えますけどね。
スペースを与えると、フロンターレは怖いなと思いました。
シンプルにパスをつなぎ、ゴール前に迫ってくる。
アイデアが豊富で誰が出てきても、自分たちのサッカーができるという印象です。
個人で目立っていたのは、家長選手です。
彼はフィジカルが強く、キープ力がある。
パスもドリブルも上手く、自分で決めることもできる。
厄介な選手だなと思いました。
彼の他にも、中村選手や斎藤選手といった状況を打開できる選手がいます。
さらにベンチには小林選手にレアンドロ・ダミアン選手。
とにかく選手層が厚いなというのが感想です。
後半の苦しい時間帯に彼らが出てくるのは、どこのチームにとっても脅威でしょう。
小林選手の動き出しなんかは、質が高いなと思いました。
豪華なメンバーが揃ってるフロンターレですが、そんな相手に松本は良くやったと思いますね。
次節にむけて
この勝ち点1を無駄にしないためにも次節の清水戦は勝ちたいところです。
清水との通算成績は4勝3分0敗と相性の良さはバッチです。
何としても勝ち点3を持ち帰りたいところです。
前節:サンフレッチェ広島戦【J1第20節 2019年7月20日】
次節:清水エスパルス戦【J1第22節 2019年8月10日】