【シーズン終了まで残り1試合】
松本山雅の挑戦の火が消えかかっています。
前節の横浜FM戦に敗れたことでJ1残留が厳しくなりました。
今節はガンバ大阪との戦いです。
勝てばプレーオフへの道が残される可能性がある一戦。
崖っぷちで踏ん張ることができたのか。
この試合のマッチレビューをガンバ大阪、松本山雅、お互いのファン・サポーターに聞いてみました。
両サポーターが試合を見て感じたこと
今節も含めて残り2試合となったJ1リーグ。
松本は崖っぷちの状況での試合となります。
試合は前半8分、裏に抜け出した松本の永井選手がシュート。
しかしポストに弾かれゴールとはならず。
結果的にはこのシュートが今節の結果を決める場面だったと言えたかもしれません。
その後、11分にG大阪の小野瀬選手がペナルティエリアの外から右足でゴールを奪います。
振り抜きすぎず、それでいてコースも素晴らしい精度の高いシュートでした。
30分・45分には井出口選手のシュートが決まり点差を広げます。
58分にはアデミウソン選手がゴールを奪ってG大阪は大量4得点で勝利しました。
松本は90分に水本選手のゴールで1点を返しますが及ばず。
試合終了と同時にJ2への降格が決まりました。
最後の最後まで得点がとれないチームでした。
今シーズンを振り返ってみても得点数はJ1リーグ最小です。
個人で打開できる選手はおらず、かと言ってチームで打開できるような戦術も浸透していないシーズンでした。
降格は決まりましたが、残り1試合を来年につなげてほしいです。
試合の総括もありますし、またリーグ全体の総括もありますが、まだ最終節が残っていますので、リーグ総括についてはコメントすることはできないかなと思っています。そうは言っても、この試合でわれわれの来季の立ち位置が決まってしまったことは残念ですし、サポートしてくれた皆さんには本当に申し訳なく思っております。
ゲームのほうはセットプレーの流れからやられてしまったわけですが、ここ最近の試合ではそういうところでのほころびが出てしまった。その意味では少しわれわれらしさがなかったかなと。0-3になってからの後半開始15分ではわれわれも大きなチャンスを何回も作ったんですが、そこで取りたかったですね。向こうは少し混乱している状況で、実際にチャンスも多く作っていたことを考えると、流れを大きく持ってこられたのかなと。言うのは簡単なんですけども、そういう力を最初から出さないといけないという側面もあるかなと思います。
ただハーフタイムには「向こうが3点取れるのであれば、われわれも3点取るだけの時間はある」とポジティブな話をして送り出しましたし、最後の笛が鳴るまでわれわれらしく死力を尽くして戦うような愚直な姿を見せるというのは、どんな状況であれやれたかなと思います。
決定力の差と言ってしまえばそれまでなんですけど、やはり今日の試合に象徴されるようにシーズンを通して難しかったかなと思います。
≫ 2015シーズンも残り1試合でJ2降格が決定したが、この結果になったのはメンタルに課題があったのか、戦力が足りなかったのか?
それをコメントするのは、ここでは避けたいです。ただチームとしても私個人としても、力が足りなかったということだと思います。
引用元:
Jリーグ公式
スポーツナビ
≫ J1残留をしたいという松本とはモチベーションの差があったかもしれない中で、どういった準備をして、前半はすごく内容は良かったですが、今日の試合ではどういう点がうまくいったとお考えですか?
端的にこの試合を、ホームの最終戦を勝つというところと、あとは15分でまずは1点を取るというところで2点目、3点目というのをできれば前半で取ってしまって、もちろん相手が残留に向けてのパワーを持って来るのは分かっていた中で、でもそれを上回るだけのパフォーマンスを出さなければいけないという話をして送り込みました。
確かに前半は良かったと思うんですけど、後半の立ち上がりはちょっと受けてしまって、もちろん後半の頭は相手も出てくるのはあると思うんですけど、1点取られたりしたというところで、前半良かったぶん、少し後半に関してはもっとできたんじゃないかなというところの、こだわりを持ってほしいと選手にはいま言ってきました。
≫ 井手口 陽介選手のあのタイミングの交代は?
少し前半、足を痛めていたので、交代になりました。
≫ 井手口選手ですが、ペナルティーエリア内の仕事を昨日の練習後にも課題に挙げられていましたが、今日はそこが見られての2得点でした。評価を聞かせてください。
今日に限って言うとあまり、らしいプレーは多くなかったと思っています。点はもちろん取れるところに入ってきてくれましたけど、代表選手としてはもっとこう、格の違いを見せなければいけないですし、攻守両面においてもっと高いパフォーマンスをこれからの試合では期待したいと思います。
≫ 今日の試合に限っては、サイドをうまく使っていることに加えてインサイドハーフもうまく絡んで、攻撃に関しては宮本監督がやりたいものがだいぶ見えてきたように思いますが、今季終盤にきてある程度、理想形が見えたのでしょうか?あと、セレモニーではメンタルの強さという点を挙げていました。メンタル面はもちろん大事ですが、ピッチ内でのサッカーに関してもある程度、理想に近づいているとお考えですか?
そうですね。オートマチックにある程度の動きができつつあると思いますし、右サイドのビルドアップが少し改善されたところであったり、そのぶんアンカーで余裕を持って前を向けてボールをさばけるシーンが増えたりとかが良い攻撃につながっていると、いま思っています。それに関してはもっとより良くできると思うんですけど、まあある程度の形にはなってきているなというふうには思っています。ただ、去年の反省から言うと、やはりシーズン終盤に良いプレーをしても、またシーズンオフを挟んで、また違うチームになってしまうこともあるので、いま良くても次のシーズンに向けての参考にならないかなと思っています。
G大阪 | スタッツ | 松本 |
62% | ボール支配率 | 38% |
23 | シュート | 18 |
6 | 枠内シュート | 6 |
115.3km | 走行距離 | 118.7km |
201 | スプリント | 208 |
731(85%) | パス(成功率) | 408(74%) |
0 | オフサイド | 1 |
9 | フリーキック | 14 |
8 | コーナーキック | 7 |
0 | ペナルティキック | 0 |
警告:2 | 警告・退場 | 警告:1 |
ガンバサポのマッチレビュー
松本山雅戦を見た試合の感想ですが、試合結果としては4-1で完勝でした。
この試合で特に素晴らしい動きだったのが井出口選手でした。
前半30分と45分にゴールを挙げて一気に試合を決めてくれました。
ヨーロッパのクラブから日本に戻りガンバに移籍してきた井出口選手ですが、ようやく本来の動きに戻ってきて中盤でも素晴らしい働きでした。
1点目、2点目ともに井出口選手らしい素晴らしいポジショニングからボールを奪いゴールに繋げていきました。
後半には、アデミウソン選手のダメ押しの追加点も入り、見事に松本山雅に対して4得点を奪いガンバの攻撃力の高さを見せる事が出来た試合で大満足でした。
井出口選手と同様にヨーロッパ帰りの宇佐美選手も攻守に渡り献身的な動きでチームに貢献しており、とても良い試合内容だったと思います。
松本サポのマッチレビュー
本日の敗戦でJ2降格が決まってしまいました。
今日の試合は残留のためにも、勝たないといけないシチュエーションでした。
そのため、松本はいつもより攻撃的な戦い方をしていました。
前半の早い時間帯に町田選手からのパスを永井選手がシュート。
惜しくもポストに当たってしまったのですが、これが決まっていたら違う展開だったのかなとも思いました。
反対に前半の11分にセットプレーの流れからの失点。
これは相手が上手かったのもありますが、痛い失点でした。
松本はもう攻めるしかないのですが、こうなるとガンバのペース。
ボールをうまく繋がれて、ゴール前へ攻め込まれます。
ゴール前でのアイデアが豊富なガンバに松本ディフェンスは対応できていませんでした。
次々と追加点を入れられます。
松本もチャンスは何度かありましたが、決められない。
最後に1点を返すのがやっとでした。
ガンバとの差は大きかったです。
J1での定着を目指しましたが、力が足りなかったということでしょう。
今シーズンの結果を受け入れなければなりません。
来季はJ2が舞台になりますが、またJ1の舞台で戦えるように応援したいと思います。
17位に沈む松本山雅にとっては残留を目指しプレーオフに進むために絶対に負けられない試合でした。
既に残留を決めているガンバにはモチベーションや気迫の差で勝たなければいけないゲームだったと思います。
相手のホームゲームで地力の差をまざまざと見せつけられ、最終節を待たずに降格が決まってしまったのは悲劇です。
完膚無きまでに力量差を見せられたので仕方がないとあきらめるしかありません。
前半7分の永井のシュートがポストにはじかれたシーンが決まっていれば、展開は変わっていたかも知れないので松本にとってはやはり悔しさも募ります。
ガンバの前線の選手の攻撃の迫力や個の力での差は歴然でしたし、今季は低調でしたがやはりガンバは強いなと感じさせるゲームでしたね。
最下位で終わったチームは翌年のJ1昇格率が低いというデータもありますので、最終節はしっかりと勝手来季への糧にしてほしいなと思います。
とても残念な結末となっていまいました。
降格という現実はこの試合だけの問題ではありませんが、シーズンを通しての課題がハッキリと表れてしまった感がありました。
この試合も結果は大量失点となりましたが、内容はそこまで悲観的なものではなかったとは思います。
永井選手の最初のポスト直撃シュートが決まっていれば、まったく違った試合になっていたでしょう。
先制点を許した後もチャンスは作れていたので同点にすることも十分可能だったでしょう。
よく言えば粘り強くはありましたが、そこから先に進めなかったという試合をずっと繰り返してきたために勝ち点を積み重ねることが出来なかったのは残念です。
この試合でも町田選手は良い所に顔を何度も出してチャンスメイクしていたように、個々で頑張っている選手はいました。
水本選手の最後のゴールも希望を与えてくれるには十分でした。
日替わりで良い選手が出たのはポジティブでもあり、絶対的な選手がいないという課題でもありました。
今節もシーズン途中の試合ならまだ楽しみがあったでしょうが、最終盤まで変わらないもどかしいシーズンでした。
対戦相手の印象
両サポーターに相手チームの印象を聞いてみました。
ガンバサポから見た松本山雅の印象
松本山雅には、1試合を通じて18本ものシュートを放たれましたが、日本代表にも選ばれている東口選手のセーブもあり1失点で抑える事が出来ました。
松本山雅の中盤での繋ぎからの攻撃力は驚異を感じ、山雅の中で注目していた水本選手に後半終了間際に得点を奪われました。
それまで合計18本のシュートでさらに枠内に6本のシュートを放たれていたため、松本山雅の攻撃力はやはり強力である事が改めて実感する事が出来ました。
フォワードの永井選手と町田選手のツートップも得点力があるため、試合開始から注目していましたが、ガンバのキーパーの東口選手とディフェンス陣がよく耐えた試合だったと思います。
山雅の連携の取れた攻撃陣には、やはり脅威を感じる時間帯がありましたが、ガンバが上手く試合を進めて勝ち切る事が出来たので、とても良い試合となりました。
松本サポから見たの印象
ガンバは全体的にレベルの高い選手が多いです。
特に良い若手が多いですね。
先制点の小野瀬選手なんかは、技術が高くボールを前に運べる選手です。
今季はミドルシュートを決めている場面もあったと思うのですが、得点力もあります。
まだ若いですが、攻撃のキーマンになっていました。
井手口選手や宇佐美選手は海外リーグでの経験があり、日本代表歴もある選手。
出戻りみたいな感じだったので、正直なところは以前より衰えているのではと思っていました。
今日の対戦で思ったのは、やはり彼らはJリーグトップレベルの選手です。
技術が高く動き出しが良いですし、決定力もある。
松本の守備陣が対応できていなかったです。
他にも攻撃陣は豊富なタレントを揃えているガンバですが、キーパーの東口選手もナイスセーブがあって安定していました。
今シーズンはガンバも苦戦していましたが、やはり歴史のある強豪チームだなと感じました。
是が非でも勝ちに来る松本山雅をしっかりとブロックして、前のめりになった相手の隙を的確に突いて得点を重ねたガンバのサッカーは見事としか言いようがありません。
シンプルに裏を狙って単調になることなく、つないだりサイドを経由してスピーディーに連動して動くことで守備の綻びや隙を見逃さない攻撃陣は成熟した雰囲気すら感じましたね。
小野瀬の先制点は見事で、クロスの雰囲気を残しながら短いステップで的確に強いシュートをするのは簡単ではなく、冷静さと技術の高さが際立ちました。
井手口のゴールもヘディングの跳ね返りにしっかりとスペースに詰めていて連動したチームの強さを実感しました。
宇佐美・アデミウソンのコンビはもちろんベテラン遠藤のアクセント力も素晴らしい。
前半は苦戦しましたが、宇佐美と井手口という人材流出の穴が、二人が戻ってきたことで最適な補強になっているのはクラブのロイヤリティと魅力が備わっているからで、来シーズンの躍進を感じさせる完成度だったと思います。
ガンバ大阪にとっても苦しいシーズンだったとは思いますが、この試合は完ぺきな運びでした。
まだまだ隙はあったとは思いますが、チャンスを確実に決めて圧倒するところは往年の強さを感じさせるところがありました。
先制点は松本のクリアミスがあったとは言え小野瀬選手のシュートは強烈で止めるのは無理です。
2点目もシンプルながら良いクロスで一瞬の隙を突かれてしまいまいした。
そして問題は3点目と4点目ですが、ガンバらしい技術の高さが詰まった敵ながら素晴らしいゴールでした。
3点目の崩しはドリブルとパスが組み合わさったハイレベルな連携の成す技でしたし、4点目のアデミウソン選手の飛び出しとそこに合わせるパスの技術はちょっと真似ができなそうです。
ガンバとはホームで対戦した時も松本が一方的にやられてしまったので相性によるものかもしれないですが、どうしてこの順位にいるのかよくわからないチームです。
前節:横浜Fマリノス戦【J1第32節 2019年11月23日】
次節:湘南ベルマーレ【J1第34節 2019年12月7日】