令和最初のアルウィンでの試合でした。
1万8397人の観衆がスタジアムに集まりました。
前節のFC東京戦は、久保建英が絡むプレイから2失点で敗戦。
今節はC大阪との試合でした。
宿敵の都倉選手を警戒しながら、勝利を目指しました。
満員の観衆の中で勝ちを目指したゲームでしたが、0-2で敗れて2連敗となりました。
この試合のマッチレビューをセレッソ大阪、松本山雅、お互いのファン・サポーターに聞いてみました。
目次
両サポーターが試合を見て感じたこと
この試合、前節のFC東京戦からスタメンを1人入れ替えて臨みました。
- レアンドロ →永井
守田選手、岩上選手もケガから復帰してベンチ入りしました。
FW永井選手は、6試合ぶりの先発出場で得点を狙いました。
前半は、C大阪に攻め込まれなかなか攻め手がありませんでした。
前線からのプレスがハマらず、ボールが攻撃に繋がりません。
前半21分、Bメンデス選手の落としからサイドを深くえぐられます。
奥埜選手がゴール前に折り返すと再びBメンデス選手のもとに。
そのボールをBメンデス選手がヘディングシュート。
ボールは山なりの軌道を描き、ゴールに吸い込まれてしまいます。
先制されたまま、前半を折り返します。
攻撃陣もシュート2本に抑えられ、得点も匂いはなし。
後半開始直後、積極的な攻撃で同点を目指す松本。
しかし、徐々にC大阪に流れを持っていかれてしまう。
後半20分にレアンドロ選手と杉本選手を投入して、攻撃のリズムを変えようとするが前線にボールが収まらない。
攻撃のチャンスがないまま、後半38分に追加点を許してしまい、万事休す。
そのまま試合終了。
松本は、GWの2戦を無得点・複数失点と課題の多い結果となってしまいました。
強い相手に攻撃の形が見えず、得点チャンスもなし。
攻撃陣にボールが渡らず、ペナルティエリアで勝負できていません。
松本永遠の課題、得点不足が浮き彫りになっています。
この課題にそろそろ回答を出さないと、難しい状況になりそうです。
前半が全てだったかなと思っています。ゲームプランとは全く違う形になってしまったので、それがゲームにかなり大きく響いたと思います。後半は修正して良くなりましたけど、後半の最初から20分くらいですかね。その良いリズムのときに1つ取りたかった。その時間を越えて少し持っていかれて、最終的には非常に悔しいというか残念というか、自分たちで苦しいゲームにしてしまったと思います。
この前のゲームもそうですけど、試合をするごとに収穫も反省点もあります。この反省点を次にいかさないといけないですし、週中には公式戦がありますので、その準備を兼ねてやっていきたいと思います。
≫ 永井 龍の先発起用など意図もあったと思うが、ゲームプランとは全く違う形になってしまった要因としては?
この前のFC東京戦を受けて、全体的に体重が後ろにいっている部分があった。われわれの良さをもう1回という話をするなかで、永井からのスタートのディフェンスをしっかりしたかったというのは正直あると思います。ただわれわれが中途半端なポジショニングになり、向こうに合わせることが出来なかったというのは正直あります。
向こうは最後の15分で6失点していることを考えると、後半はもう1回しっかりしたところからボールを奪う、または攻撃に繋げたかった。ただ向こうは逃げる手を持っていて、前線からプレッシャーをかければ長いボールで逃げて(前線に)収めさせる。ロティーナさんは東京Vの時からそうだったので、十分分かっていたのでボランチは大変だったかもしれません。それで逃げられて守備のリズムを作れなかったことは否めなかったです。
引用元:
Jリーグ公式
スポーツナビ
≫ 今日の試合では、ダブルボランチの2人がスムーズにボールを回しているように見受けられました。特に、奥埜 博亮選手は、リーグ戦、カップ戦を問わず、勝利した試合では常に攻守への貢献が光っていますが、彼のプレーぶりについては?
そうですね。彼はシーズンが始まってから、ずっといいプレーを続けてくれています。その部分で、われわれは満足しています。われわれが望んでいることを理解することに長けていて、それが彼のアドバンテージになっていると思います。
≫ 今節がJ1リーグでの先発デビューとなった瀬古 歩夢選手への評価は?
歩夢は素晴らしいCBです。彼の年齢を考えると、驚きに値する能力を持っていると思います。
≫ ロティーナ監督は、東京V時代も松本に対しては4バックで臨んでいました。今節、4バックで臨んだ狙いと、その狙いがどのくらい的中したか、教えて下さい。
そうですね。確かにヴェルディでもディフェンスラインを4枚で臨みましたが、ヴェルディでやったときと、今回との関連はあまりないです。3枚でずっとプレーしてきて、悪くない内容で、守備も安定していたんですけど、ゴールを奪うところで問題があって、より深さを持ってプレーするために、このシステムにする決断をしました。なので、相手に合わせてというより、自分たちの問題を解決するために、この並びになりました。
今のわれわれのアドバンテージは、3枚でも4枚でも、両方のシステムでプレーできるということ。試合の状況に応じて優位に試合を運ぶために両方のシステムを使えるということが、われわれのアドバンテージになっています。
松本 | スタッツ | C大阪 |
41% | ボール支配率 | 59% |
10 | シュート | 21 |
2 | 枠内シュート | 5 |
116.0km | 走行距離 | 114.3km |
189 | スプリント | 144 |
299(69%) | パス(成功率) | 454(82%) |
0 | オフサイド | 1 |
11 | フリーキック | 16 |
6 | コーナーキック | 3 |
0 | ペナルティキック | 0 |
警告:0 | 警告・退場 | 警告:0 |
C大阪サポのマッチレビュー
ここまで決定力不足にあえいできたセレッソ大阪ですが、この日は2-0というこれまでのうっぷんを晴らした最高の試合となりました。
試合内容にも満足しているサポーターも多いと思います。
先制点のシーン。
右サイドでのメンデス選手から奥埜選手へのヘディングの落としがゴールラインを割りそうになったのですが、あきらめずに追いかけた奥埜選手からのダイレクトのクロス。
メンデス選手の頭にピタリと合い、ゴール角をついたヘディングシュートが決まりました。
ゴールキックになると思ったのか、松本のDFのメンデス選手への寄せが甘かったです。
2点目のシーンも奥埜選手がこぼれ球によく反応しました。
奥埜選手はこの日のMOMと言ってもいいですね。
それ以外の場面でも、セレッソの選手の個の力が上回っていたという印象です。
この2-0をきっかけに、決定力不足が解消していけばいいと思います。
松本山雅サポのマッチレビュー
いつもの松本らしさが出ていない試合でした。
前半はセレッソに攻め込まれる時間が多かったです。
いつもであれば早めにプレスをかけて、ボールを奪いにいきます。
今日はそれがうまくいかなかった気がします。
セレッソの攻撃陣に、ゴール前でプレーすることを許していたという感じです。
1失点目も、そんなに凄いゴールではないんですけどね。
足が止まっていたように見えました。
後半は松本も攻めるシーンが増えました。
前田大然選手のスピードには、セレッソも手を焼いていたように思います。
セットプレーの機会も増えましたが、なかなかゴールを奪えません。
なかなか得点をできずにいると、セレッソに2点目を取られました。
今日はあまり良いシーンを作れず、負けた感じがしました。
ロティーナ監督は東京ヴェルディを率いていたので、松本のことをよく知っていたのかもしれません。
球際の激しさなど要所要所では見ごたえがある試合でした。
しかし、トータルで考えるとセレッソにうまくやられた試合だったと感じました。
お互いにそこまで大きなチャンスがあった試合ではありませんでした。
その中でセレッソは少ないチャンスを確実にものにすることができたために勝利を手繰り寄せることになりました。
先制点はセレッソに入りましたが、もしも何かの拍子に松本が先制していたら結果は逆になっていたのではないでしょうか。
その意味では松本は相手の隙をついていくことは上手くなったと思います。
きちんと引き締まったゲームになると突破口を見つけられずにいるような気がします。
この試合でも戦略的に崩したシーンはあまり見られなかったので、攻撃の課題の解決が望まれます。
勝ち点が伸びずに苦しむチーム同士の試合は、セレッソ大阪が制し、気持ち良く勝つことができたように感じました。
まずは、前半21分の先制点のシーン。
ブルーノ選手が頭で落として奥埜選手が深い位置から素晴らしいクロスを供給しました。
ブルーノ選手は頭で合わせてゴールに吸い込まれます。松本のキーパーはただ見送るしかない素晴らしいシュートでした。
後半になっても試合はセレッソ大阪ペースで進みます。
試合終盤には先制点をアシストした奥埜選手がこぼれ球に反応して、今度は自らゴールネットに突き刺しました。
セレッソ大阪は、順位こそ振るわないもののポテンシャルが高い選手が揃っています。
それを見せつけた試合内容だったように思います。
松本は今節も無得点。
深刻です。
正直、松本の良さがまったく出なかった試合だったと思います。
松本の良さはボールを奪ってからの鋭いカウンターです。
そらがセレッソとの試合ではボールを取ることができませんでした。
タレントの違いといってしまえばそれまでですが、チームとしてのボールの奪い所がハッキリしていなかったので、セレッソに好き放題やられてしまった印象です。
数少ないチャンスでもシュートまで持ち込むことができずに、90分を通して試合の流れを引き寄せることができませんでした。
前田と永井は相手センターバックに完全に押さえ込まれてしまっていたので、ノーチャンスの試合だった印象です。
交代策も流れを引き寄せるまでには至っていなかったので、次節には気持ちを切り替えて試合に挑んで欲しいです。
対戦相手の印象
両サポーターに相手チームの印象を聞いてみました。
C大阪サポから見た山雅の印象
昨年、混戦のJ2を制して昇格してきた松本。
レベルの高いJ1でロケットスタートとはいかなかったものの、ここまで3勝2分け4敗の勝ち点11というまずまずの戦いぶりを見せています。
チームの印象は、相手チームにボールを保持される試合が多いものの、頭脳明晰な反町監督の分析のもと、チーム全体がハードワークして相手の攻撃をしのぎきり、一瞬のスキをついて得点をあげ、勝利をもぎ取っているという試合が多いですね。
チームを指揮して8年目となる反町監督に対する選手からの信頼感の厚さを感じることができます。
ただ、決定力の低さで今シーズンは苦労している印象もあります。
この試合でもなかなか相手ゴール前でチャンスを作ることができず、シュートの精度も欠いていました。
失点シーンでは、相手FWに対する寄せの甘さや、ペナルティーエリア内での集中力が切れてやられてしまった印象です。
山雅サポから見たFC東京の印象
セレッソは戦術が明確だったので選手全員が気持ち良くプレーしている印象でした。
去年のセレッソはカウンター主体のチームでしたが、清武や柿谷といったテクニシャンを揃えるチームなので、今の戦術の方がフィットしている気がします。
ロティーナ監督になってからはあからさまにボールポゼッションを高める戦術になりましたが、とてもハマっていました。
とはいえ、ただボールを回しているだけでなく、状況に応じてメンデスや都倉といったターゲットにシンプルにボールを当ててきていたので、90分を通して戦い方を柔軟に変えられるチームでもありました。
現在は松本と同様に中位に位置していますが、きっかけさえつかめば上位に食い込んでくる可能性は十分だと思います。
ポテンシャルの高い選手が揃っているなという印象です。
チームの調子はいまひとつながらもブルーノ選手、都倉選手、奥埜選手、清武選手、他にも錚々たる面々が顔を連ねます。
本来であれば、この順位にいるチームではないというのが率直に感じることです。
そして、今節はそんな現状を打破するような試合内容だったと思います。
今後の浮上のきっかけになるような素晴らしいゲームでした。
能力の高い選手がこれでけ揃っているわけですから、きっかけさえつかめばより高い順位にいけることと思います。
テクニシャンな攻撃陣に目がいきがちですが守備もなかなかのチームだと思いました。
今シーズンは負けた試合においても大量失点はありません。
最大で2失点で、ほとんどが1失点です。
この守備がさらに堅いものになれば、より高い順位を目指せるという印象です。
素直に上手いなと感じました。
ヴェルディを見てきたのでよくわかりますが、まだロティーナ監督の戦術はセレッソには浸透していないと思います。
それが安定しない成績に出ているので勝てるチャンスはあると正直なところ思っていました。
ですがはやりタレントが揃っているチームの強さがありました。
結局局地戦で勝敗を分けるのは選手の個人技であり、そこは松本も見習わなければなりません。
柿谷選手や高木選手が出場しなくてもあれだけ厚い攻撃をされてしまうと他のチームには脅威となるでしょう。
攻撃にタレントが揃っているチームですが守備もしっかりと整備されており崩しにくいチームでもあります。
今は攻守が噛み合っていないので勝ち切れていないですが、粘りはあるので後半戦から伸びてくる可能性は十分にあるのではないでしょうか。
セレッソ大阪ですが、今の順位にいるようなチームではないように思いました。
守備は堅かったですし、攻撃も脅威を感じました。
松本の良さを封じられたように思います。
あまり得点力がないイメージだったのですが、今日は攻め込まれる時間が多かったです。
松本も少し疲れが出てきているのかもしれませんが、セレッソの攻撃も素晴らしかったです。
セレッソは技術の高い選手が多かったですね。
パスもよくつながって、すぐにゴール前まで攻め込まれました。
シュートも松本の倍近くは撃たれたのではないでしょうか。
今季のセレッソは守備的なチームという印象でした。
しかし、今日はそういうチームではないと感じました。
試合をするごとにセレッソは、連携が良くなってきたのではないでしょうか。
予想以上に強かったです。
対戦相手で気になった選手
相手選手で気になった選手を聞いてみました!
松本の気になる選手といえば、FWの前田大然選手です。
2020年の東京五輪代表候補のFWの最大の特徴は、何と言っても抜群のスピードです。
チームでは3-4-2-1の2、いわゆる2シャドーの一角を担っている関係で、ここまであげた得点は1点ですが、裏へ抜け出すスピードは目を見張るものがあります。
ひとたび抜ければ相手DFを置き去りにするスピードは、それだけでも観戦に行く価値があります。
また、ハードワークを信条とするチームの中心と言っても過言ではないくらい、前からのプレッシングをしっかりとおこなっています。
この試合でも、相手GKのクリアーをブロックするなど、前からのチェイシングを確実に実行していました。
決定力の高さが上がってくれば、今後相手チームにとっては脅威となるFWです。
清武選手は、やはり上手いなと思いました。
元日本代表で海外での経験もある。
その意味が分かった気がします。
セレッソの攻撃は、清武選手が作っている気がします。
ボールの散らし方など、視野が広いなと感じました。
相方の柿谷選手が出ていなかったので、それも気になりました。
この2人は天才タイプなので、自由にさせたら危ないと思います。
清武選手です。
セレッソ大阪の10番を背負う元日本代表選手です。
今節でも高いパフォーマンスを見せていました。
現状、もしかしたら全盛期と比べると動きは劣るのかもしれませんがその能力は本物だと思います。
そして、これから再び日本代表を目指せるだけのものは持っていると思います。
今後も、セレッソ大阪をプレーでどのように引っ張っていくのか、そしてその活躍をきっかけに日本代表への返り咲きはあるのか気になった選手です。
都倉選手には注目していました。
昔から松本キラーと言える選手だったので、セレッソでどんなプレーをするのか気なっていましたが怖さは健在です。
この試合でゴールを奪われることはありませんでしたが、前線で常に起点になることができるのでセレッソの攻撃の軸になっている選手だと思います。
たぶんもっとゴールに専念させた方がもっと怖くなりますが、この年齢で選手としての引き出しが増えているとも言えるので脅威です。
シーズンが終わるころにはセレッソのエースとなっていても不思議ではありません。
都倉選手も良いフォワードですね。
前線でためをつくれるので、その間に後ろの選手が上がってくるというシーンが多々ありました。
都倉選手がいることで、セレッソの攻撃が厚みを持っているような気がしました。
セレッソの若い瀬古選手も気になる存在です。
まだ18歳というのに、無難にプレーできていたと思います。
今後の日本サッカー界にとって、楽しみな選手の一人です。
先制ゴールを挙げたメンデス選手は気になりました。
速さこそないですが、両足でボールを扱える器用さとヘディングの巧さが目に付いたので、レベルの高い選手でした。
運動量が落ちて消える時間もありましたが、ここぞというときは一気にギアを上げてプレーするあたりは助っ人外国人の役割を十二分に理解しているようでした。
ボールも収まるのでセレッソの攻撃の起点にもなっており、今の松本に欲しいタイプの選手です。
コンディションも良さそうだったので、この先ゴールを量産していく気がします。
次節にむけて
今節で10試合が終わりました。
成績は3勝2分5敗で勝ち点11、くしくも2015年と同じ成績を歩んでいます。
順位も12位でした。
2015年の場合、17節を終わるまで1勝しかできませんでした。
松本にとってはこの5月、6月が正念場です。
ここで踏みとどまり、勝ち点を拾えなければ残留は見えてきません。
GWの2戦は見ていて、モヤモヤする試合内容でした。
特に前田、中美、レアンドロの3選手が窮屈そうな印象でした。
レアンドロ選手は明らかにイライラしています。
前を向いてボールを受ける機会がほとんどなく、いつもハイボールばかり。
当然相手DFもケアしているので、ボールが繋がりません。
攻撃の起点がない、中盤からボールが入らない。
こんな状況で得点が入るわけがない!
ボールを奪ってもノッキングして、悪循環に陥っている印象です。
シャドーのポジションで時間を作れる、反転できるプレイが必要です。
それが出来るのが杉本選手、町田選手だと思います。
今までの松本にいなかったタイプの2人が攻撃のリズムをもたらしてくれるはずです。
あと米原選手をリーグ戦でみたいですね。
ボランチというポジションで競争は激しいですが、ルヴァン杯で見せているような彼のパスが必要です。
今いるメンバーで光明をみいだしてほしいです。